鉱物資源の国内加工の夢と現実:不平等な国際金融構造の壁

by | 2026年10月1日 | Global View, サハラ以南アフリカ, 中東・北アフリカ, 経済・貧困, 農業・天然資源

(この記事はもともとアフリカン・アーギュメンツに掲載されたものです。クリエイティブ・コモンズ BY-NC-SA 4.0 ライセンスの下で転載しています。)

2023年以降、14のアフリカ諸国が、未加工の重要鉱物に対する輸出規制を導入し、輸出前に「現地付加価値化(ベネフィシエーション)」、すなわち国内での加工と製造を義務付け、技術と資金の提供を求めている。

富裕国もまた現地付加価値化の理念を支持し、資源が豊富な国への投資を拡大し、それが貧困からの脱却を助けると約束している。しかし、こうした約束の裏では、自国の利益にのみ資するトップダウン型の経済モデルを温存し、グローバル・サウスから長年提起されてきた気候正義や補償をめぐる衡平性に基づく要求を、一つのビジネス機会へと矮小化している。

西側諸政府によって推進され、彼らの開発銀行や企業を通じて実行されるこのモデルは、アフリカ諸国をさらに債務漬けに追い込み、租税回避を通じて富を流出させ、環境・人権を損なう政策変更を押し付ける一方で、病院、学校、社会保障から乏しい公的資源をそらしてしまう。

銅線(写真:Zayden Finn / Wikimedia Commons[CC BY-SA 4.0])

地政学的利害がかかる分野

現在、中国は世界最大級の重要鉱物の生産国かつ供給国であり、レアアース供給の80%超を支配している。これに対し、G7諸国とその同盟国である西側諸国は、拡大するエネルギー産業、デジタル産業、軍需産業に必要な鉱物へのアクセスを確保するために、中国依存を低減しようとしており、グローバル・サウス各地の鉱業セクターへの投資を強化している。

こうした地政学的緊張の中で、多国間開発銀行(MDB)は、西側政府の利害を推進する道具としてますます利用されている。2026年5月、世界銀行グループは「今後5年間で同セクターへの支援を5倍にする」と発表し、アフリカ開発銀行は重要鉱物の現地付加価値化をアフリカの工業化の中心に据えようとしている。

開発銀行は、鉱業および現地付加価値化を支援するために主に3つの手段を動員している。第一に、グローバルなサプライチェーンに組み込むことができ、民間セクターにとって採算の取れるプロジェクトの特定と設計である。第二に、民間セクターからのリスクを吸収するために官民パートナーシップを通じてホスト政府に融資し、関連するエネルギーや輸送インフラを整備させることである。第三に、「技術支援」の提供や融資に付随する条件を装いながら、MDBは影の政府のように振る舞い、アフリカ政府に対し、プロジェクトの迅速化措置を含む産業寄りの改革を迫るのである。

誤った前提に基づく約束

MDBは、重要鉱物をアフリカにとっての金鉱のような開発機会として機会主義的に提示している。しかし、その繁栄の約束は、二つの誤った前提に立脚している。

一つめは、重要鉱物への需要が無限にあるという前提である。実際には、将来需要は過大に見積もられており、生産能力への過剰投資をもたらしている。たとえば、世界のリチウムイオン電池の製造能力は、現在の需要の約2~5倍に達しており、廃棄、過剰採掘、過剰生産、価格下落を引き起こしている。これは、鉱物資源が豊富な国々が、競争激化と収入減少を見込んだうえで、国内需要を拡大する必要があることを示唆している。

コンゴ民主共和国のコバルト(写真:iied / Flickr[CC BY-NC-ND 2.0])

二つめは、鉱物資源が豊富な国々が、鉱業および現地付加価値化からの収入を通じて、必要不可欠な社会サービスやインフラを賄うことができるという前提である。しかし、債務返済とグローバルな租税枠組み(利益をオフショア投資家に流す事業構造)によって、貧困に直面する周縁化されたコミュニティに経済的価値が届く前に、ほとんど吸い上げられてしまう可能性が高い。

不公正な世界の租税・債務システムが開発のための公的資金調達を阻害

MDBは長年、採掘産業を民間セクター主導とすることを推進してきた。その結果、多くのアフリカ諸国の国内総生産をはるかに上回る資本を持つ巨大鉱山企業のなすがままに、各国政府は置かれている。これら企業は、資源ホスト国政府に対し、資源ロイヤルティーの引き下げ、環境・社会的セーフガードの弱体化、資源企業への減税などを通じて、より多くの投資を呼び込むために互いに競争するよう仕向けている。

鉱業から生まれる価値の多くは、企業が利益をタックスヘイブンに移転することで、今なお海外に流出し続けている。その一方で、G7およびその他の富裕国は、資源国が自国の公的収入を増やし、不正な資本流出に対処できるようにする、包摂的で一元的な国連税条約を通じた取り組みに、抵抗してきた。この条約は、資源国が自国領内で生み出される経済活動や利益に課税できるようにするものである。

加えて、グリーン産業政策の資金調達に関する重要な提案は、アフリカ諸国の債務負担をさらに増大させている。たとえプロジェクトが民間企業によって実施される場合でも、政府は関連する輸送・エネルギーインフラを整備するために融資を受けることが期待されている。これらの債務は通常米ドル建てであり、借入国が返済することを一層困難にする。すなわち、債務を多く抱えるほど、その通貨は米ドルに対して価値を下げる傾向にあるのだ。しばしば、長期の機関投資家や政府である元の債権者は、その債権を額面のごく一部の価格で投げ売りし、各国はハゲタカファンドのなすがままにされる。彼らは執念深く訴訟を起こし、満額の取り立てを狙うのである。

ロンドン金属取引所の入口(写真:Kreepin Deth / Wikimedia Commons[CC BY 3.0])

債務による資金調達に焦点が当てられることは、採算の合うプロジェクトだけが資金供給を受けられることも意味する。その結果、保健や教育といった不可欠なサービスを含むその他の事業は置き去りにされる。モザンビークの事例が示すように、資源採掘から約束されていた収入が実現しない場合、公共サービスは最終的に削減されてしまう。そして、機能する国家債務再編メカニズムが存在しない状況では、各国は増加した収入を公共サービスに振り向ける前に、まず債務を返済しなければならない。

現地付加価値化が人々に利益をもたらすには、より意味のあるコミュニティ参加が不可欠

この極めて不公平な経済システムの中で、最大の偽善は、土地や生態資源、生計手段を差し出す代わりに繁栄を約束されている地元コミュニティや先住民族が、重要鉱物や現地付加価値化プロジェクトに関する意思決定プロセスから意図的に排除されていることだ。

MDBは環境・社会セーフガードの改善を口先では強調するが、気候危機の緊急性や環境承認の効率化のビジネス上の必要性を理由に、世論参加や情報アクセスの機会を減らすよう各国に助言している。その結果、自らの土地でプロジェクトの負担を負っている人々は、知見を共有し、懸念を表明し、意味のある形で参加する機会を持てない。

第二に、環境・人権擁護者たちは「反開発的」と烙印を押され、単に質問をしたり、グリーン産業プロジェクトの改善策を提案したりしただけで、犯罪者扱いされ攻撃を受けている。各国政府はまた、市民社会組織の自律性と独立性を制限し、その存続を脅かすかたちで、適切さを欠いた規制を設ける法律を推し進めている。

こうしたコミュニティや社会運動の沈黙を強制する行為は、人々が自らの生存に関して意見を述べる能力を奪っている。それはまた、グリーン産業化がすべての人に真の繁栄をもたらすことを保証するために必要な信頼と説明責任を損なう。

シエラレオネの手工業的ダイヤモンド採掘者(写真:kenny lynch / Flickr[CC BY-NC-ND 2.0])

資源豊富国は、そのレバレッジを用いて、制度改革と構造転換を迫るべきだ

現地付加価値化は、最新のG7やG20会合での宣言から、より先進的な立場をとるアフリカ連合(AU)の「グリーン鉱物戦略」、さらには国連のエネルギー転換のための重要鉱物に関するハイレベル会合に至るまで、国際アジェンダの最上位に掲げられている。

しかし、これらの場はいずれも、現在の金融アーキテクチャーの体系的な改革の必要性を中心には据えていない。債務や租税改革を通じて公的資源を増やすことに関する議論は並行して行われているものの、それらは現地付加価値化に関する議論とは切り離されている。一方で、こうした並行する議論の中で、中国は国連主導の国家債務処理メカニズムや国連税条約を支持しているのに対し、G7諸国はこれらの改革に反対していることは注目に値する。中国はすでに重要鉱物分野の市場リーダーであることから、アフリカ諸国は、G7に対して、より大きな重要鉱物アクセスと引き換えに、その立場を変えるよう圧力をかけることができるだろう。

一つ明らかなことがある。輸出禁止措置だけでは不十分だ。このシステムの変革的改革なしには、重要鉱物からしみ出すとされる富が、コミュニティや国々を貧困から救い出すことはない。

アフリカ諸国とコミュニティは、重要鉱物のサプライチェーンへの貢献の前提条件として、3つの主要な制度的変革を要求すべきである。第一に、資源を渇望する富裕層とその企業に、応分の税負担を強いるため、公平なグローバル租税枠組みを推し進めなければならない。第二に、十分な公的資源を解放し、普遍的な社会的保護を保証するため、国家債務処理メカニズムを要求すべきである。最後に、政府と公的金融機関は、コミュニティ主導の開発転換アプローチをより強く打ち出し、コミュニティが自ら決定した優先課題に対し、直接的な無償資金を提供すべきである。地元コミュニティと先住民族は、情報、意味のある意思決定権、自らの開発の道筋を形作るための安全な機会を求めている。目標は、現地で加工される鉱物のトン数ではなく、資源豊富な地域の地元コミュニティが、食料、水、エネルギー、病院、学校にアクセスできるかどうかへとシフトすべきなのだ。

カナダでのG7サミット(2025年)(写真:The White House / Wikimedia Commons[Public domain])

執筆者:Siddharth Akali(for African Arguments)

 

0 Comments

Submit a Comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *

CAPTCHA