GNVニュース 2026年3月16日
2026年2月18日に国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)が発表したアジア太平洋SDG進捗報告書2026によると、アジア太平洋地域における2030年の持続可能な開発目標(SDGs)の達成が危ぶまれている。この報告書は、アジア太平洋地域におけるSDGsの達成に向けた取り組みの進捗を分析するものである。報告書によると、現状のペースでは測定可能な117のターゲットのうちの103個、すなわち88%が達成されない見込みであるという。
報告書は、アジア太平洋地域は経済成長やインフラ整備、健康と福祉の向上において成果をあげてきた一方で、そうした成果を格差の拡大と環境の悪化によって損なっていると指摘している。絶対的な貧困は減少したものの、所得分配の不平等や労働所得割合の低下、労働者の権利の後退、不安定な雇用などは依然として続いており、富に関する不平等は是正されていない。そして、気候変動対策や海洋保護、生物多様性などの分野では、もはや状況は停滞ではなく悪化していると報告書は述べている。温室効果ガスの排出量は増え続け、気候変動に関連する災害による人的・経済的被害は深刻な状況が続いている。持続可能な漁業が経済に占める割合は減るなかで水生生物の存続は脅かされており、土地の管理が杜撰ななかで様々な陸上生物が絶滅の危機にさらされている。
また、報告書はこうしたターゲットの達成状況を測るためのデータの不足についても指摘している。SDGsに関して入手可能なデータの割合は年々増加し、他地域を上回っているものの、2025年時点で55%にとどまっている。データ不足は、目標達成状況の確認や現状の実施方法の効果測定を困難にする。特に、ジェンダー平等と平和・公正に関わるデータが不足しており、脆弱な立場にある人々への支援が適切に行われ、届いているかの測定を難しくしている。
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インドネシアの首都ジャカルタで、スラムのすぐそばを通る電車(写真:Jonathan McIntosh / Wikimedia Commons [CC BY 2.0])





















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