GNVニュース 2026年2月27日
世界でトラコーマ感染のリスクに晒されている人の数が、統計開始以降初めて1億人を下回った。トラコーマとは、クラミジア・トラコマジスと呼ばれる微生物が引き起こす目の病気であり、世界で失明を引き起こす最大の要因となっている。手や衣服の接触や、ハエによる媒介によって感染し、熱帯気候の地域や、貧困や医療サービスが不足した農村などで蔓延しやすい。世界からの無関心により十分な対策が取られてこなかった21の感染病を指す「顧みられない熱帯病」(NTD)の一つである。
2002年、トラコーマのリスクに晒されている人口は15億人と推定されていたが、2025年11月には約9700万人となり、初めて1億人を下回った。理由として、世界保健機関(WHO)が推進した、トラコーマ予防、治療のためのSAFE戦略があげられる。SAFE戦略では、トラコーマの失明を引き起こす段階であるトラコーマ睫毛乱生症の手術、抗生物質の提供や、顔の衛生状況や環境整備などが行われてきた。
トラコーマが公衆衛生問題として撲滅されたとWHOに認定された国は、これまで28か国に上る。最近撲滅を達成した国には、パプアニューギニア、フィジー、リビアなどが挙げられる。中でもリビアは2026年2月にトラコーマを撲滅し、28か国目に認定された。リビア保健省は2017年から、WHOなどと協力しトラコーマ撲滅を公衆衛生問題の優先事項とし、対策を行った。撲滅は、同国が長年の政情不安や人道的問題によって、人々が避難を余儀なくされたり、医療サービスが逼迫したりしている中で達成されたという点で注目に値する。
減少したとはいえ、トラコーマのリスクを抱える人々はまだ約1億人存在する。WHO職員は、トラコーマ撲滅のためにさらなる資金が必要であると述べた。
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トラコーマの手術を受ける前の検査の様子(写真:Pan American Health Organization PAHO / Flickr [CC BY-NC 2.0])





















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