「戦争が嘘によって始められるのなら、平和は真実によって始められる」。各国政府や企業が隠蔽してきた数々の不都合な真実を暴いてきたウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサンジ氏の言葉だ。アサンジ氏は、現時点で多くの凶悪犯罪者が収容されるイギリスの最高警備刑務所で拘束されており、アメリカによる身柄引き渡しに係る準備が着々と進められている。2022年4月20日にイギリスの裁判官が引き渡しを容認する判決を下し、実行の判断は内務大臣に委ねられた。
アサンジ氏は、アメリカにおいてスパイ容疑で起訴されており、有罪となった場合、175年の禁錮刑が科せられる可能性がある。また、これまでアメリカ政府はアサンジ氏の拉致や暗殺も検討してきた。しかし、アサンジ氏にかけられている容疑は、内部告発者から受け取った情報を発信したことである。言い換えれば、ジャーナリズムに値する行為が罪に問われているのだ。情報を公開したことのみに対しこの法律が適用されるのはアメリカ史上初である。
報道の自由、言論の自由は、世界各地で脅かされている。中国や北朝鮮などでの厳しい言論統制はたびたび注目され、アメリカをはじめとする民主主義の価値を強調する国家から批判の対象になっている。ほかにも、エリトリアやトルクメニスタンなど、注目度が格段に低いものの、弾圧が極めて厳しい国も多数存在する。しかし、報道・言論の自由がある程度保障されているとみられる国でこそ、こうした自由が脅かされることは、他国への影響も大きいだけでなく、それだけ注目に値する重大な問題であると考えられる。ウィキリークスとアサンジ氏のケースがまさにこの問題を明らかにしており、言論の自由のみならず、法の支配の弱体化にも繋がりかねない危険を孕んでいる。
本来であれば、報道の自由が危機的状況にあるとき、まず立ち上がるべき者はジャーナリストであろう。しかし、今回はこうした様子が欧米をはじめ、日本においてもみられない。日本の報道に根付く問題を探るため、ウィキリークスの実態と、それをめぐる米国の報道に焦点を当てていくとともに、ジャーナリズムについても考えていく。

アサンジ氏が収容されるベルマーシュ刑務所前の抗議デモ(写真:Alisdare Hickson / Flickr [CC BY-SA 2.0])
ウィキリークスの創設から裁判まで
ウィキリークスは2006年に活動を開始して以来、政府や企業などの内部告発者から提供される機密情報(リーク)を受け取り、公開してきた。同様の活動を行っている従来型のジャーナリズムとも共通する点は多いが、特徴的な点もいくつかある。ひとつは受け取り方である、内部告発者からオンライン上で情報を受け取るが、暗号化された独自の受信システムを利用する。これによって、ウィキリークス自身も送信者の特定ができず、内部告発者にとって情報を提供するリスクが下がる。また、ウィキリークスは文書そのものの公開を重要視する傾向があり、内容に関する解説が報道機関に比べて少ないのも特徴的である。
ウィキリークスが大きく注目されたのが2010年。イラクで米軍ヘリがロイターのジャーナリストを含む市民に向けて発砲し、12名を殺害した様子をとらえた映像を公開した。その後も、2010年にアフガン戦争(7万5千点)とイラク戦争(40万点)に関する米軍の機密資料を公開した。米軍による拷問や数々の民間の殺傷事件など、戦争犯罪と思われる要素があらわになった。これらのリークは元陸軍情報分析官のチェルシー(旧名:ブラッドリー)・マニング氏から提供されたとされている。
同年にアサンジ氏に対し、イギリス滞在中にスウェーデンでの性的暴行の疑いで逮捕状が出されたが、アサンジ氏は捜査中に保釈された。スウェーデン検察当局は、アサンジ氏のイギリスからの身柄の引き渡しを求めた。アサンジ氏はこれに対して、スウェーデンからアメリカへの身柄の引き渡し要求に応じないという保証を求めたが、スウェーデン検察当局は応じなかった。そこで、アサンジ氏は2012年にイギリスのエクアドル大使館に政治亡命を求めた。
その後もウィキリークスは多くの国や組織から多数の機密文書を受け取り、公開していった。その中でも、アメリカの中央情報局(CIA)からの機密文書(2017年)やアメリカのヒラリー・クリントン国務長官(当時)のメール(2017年)の流出はアメリカで特に注目された。やがて、アメリカのドナルド・トランプ政権が2018年に起訴し、続くジョー・バイデン政権も引き渡しを積極的に求めている。
アサンジ氏はエクアドルから市民権を与えられていたが、2019年にはエクアドル政府はそれを取り消し、イギリス当局による逮捕を認めた。それまでにスウェーデンは性的暴行をめぐる捜査を中止しており、唯一残っていた「罪」は保釈中にイギリスの裁判所に出頭しなかったこととして50週間の有罪判決を下され、イギリスの最高警備刑務所で拘束された。その期間がすでに経過したにもかかわらず、アメリカに引き渡すかどうかを検討している間、執筆現在も拘束され続けている。拷問問題を担当する国連特別報告者によれば、現在アサンジ氏が刑務所で置かれている状況は、拷問に該当する。
アサンジ関連報道の問題点
上述のように、ウィキリークスは多くの国や企業などの機密文書を数多く公開した。アメリカに関していえば、少なくともこの行為自体が法律に抵触するとは考えにくい。アメリカの最高裁判所は報道の自由に関する過去の事例において、合衆国憲法修正第一条により、違法に入手された情報をめぐり、当事者が単に情報を公開し傍受など情報入手に係る活動に関与しなかった場合、情報開示は合法であるという判決(2001年)を下している。さらに、ウィキリークスの場合、入手された情報を他国政府に売っているのではなく、公益性の高い情報、つまりアメリカ政府による戦争犯罪や不正行為に関する内容を一般公開しているという点で、スパイ防止法の適用も本来なら考えにくいとされている。
バラク・オバマ政権下では、スパイに対してではなく、政府の不正などを暴く目的で内部告発を行った者に対してスパイ防止法が異例に適用されてきており、これに対し厳しい批判が向けられてきた。さらに、機密文書を漏洩する側ではなく、受け取った側に対してもスパイ防止法の適用を試みた。2011年から約2年間、アサンジ氏に対して大陪審の捜査が行われたが、起訴できないという結論に達した。アサンジ氏のとった行動は、ニューヨーク・タイムズ紙などの一般の報道機関のとる行動との区別がつかず、アサンジ氏を起訴するならばこれら報道機関も同様に起訴せざるを得なくなるためだ。これは「ニューヨーク・タイムズ問題」と名付けられた。その後、アサンジ氏に対する新たな証拠がないにもかかわらず、5年後の2018年にアメリカ政府が極秘起訴をすることなったのだった。

アフガニスタン戦争関連のリークを掲載した大手新聞(写真:Adam Beckett / Flickr [CC BY 2.0])
この起訴内容は、2019年のアサンジ氏の逮捕とともに明らかになったが、日本のメディアが起訴に至るまでの一連の出来事やその後の動きに関する報道は僅か、その妥当性を問うてきたことはほとんどない。アサンジ氏のケースについて取り上げる記事自体が少なく、その大半はアメリカ政府やイギリス政府などが提供する事実のみが淡々と記載されるにととどまる。朝日新聞、毎日新聞、読売新聞のうち、起訴の問題を指摘するものは、朝日新聞の社説1件と、毎日新聞の解説記事に含まれてる記述「起訴は報道の自由を定めた合衆国憲法の精神に反するのではないかとの懸念が広がる」のみである。
また、報道機関がウィキリークスの行動にまつわるデマの拡散に加担しているとも捉えることができる。例えば、アサンジ氏がアメリカ政府機密文書の不正入手を手助けしたというデマである。アサンジ氏の行動は入手した機密文書の公開にとどまらず、内部告発とともにハッキング行為にも加担したというのだ。しかしアメリカの司法省が発表した起訴状にそのような内容は見当たらない。アメリカ政府が提出した証拠書類には、アサンジ氏とマニング氏とされる人物との間のチャットが含まれており、そこにはアサンジ氏がパスワードの解読を手助けする用意があるといった内容が含まれている。しかし、チャットを交わした人物がアサンジ氏とマニング氏であると特定するに足るのかは不明であり、また、アサンジ氏がパスワード解読の手助けをしたという証拠もない。
たとえアサンジ氏がパスワード解読の手助けをしたとしても、そのパスワードはあくまでマニング氏が米軍のネットワーク内で自身のユーザ名とは異なるものでログインすることが可能になるのみで、機密文書の入手には当たらず、ネットワークにアクセスしたことを隠すための行動とされている。つまり、内部告発者の身元が発覚しないための協力であり、情報源の保護に該当する。たとえ、法律に抵触し情報入手を試みる内部告発者であろうと、同様に情報源を守ることは責任あるジャーナリストの行動として当然のこととみなされている。

アサンジ氏の引き渡しについて記者会見を行うウィキリークスの編集長(写真:Alisdare Hickson / Flickr [CC BY-SA 2.0])
それにもかかわらず、日本の報道機関は多くの欧米の報道機関と同様に、アサンジ氏が情報入手を違法に手助けしたというデマを掲載した。毎日新聞の「質問なるほドリ:アサンジ容疑者、何をした?」と題した解説記事では、アメリカの司法省がマニング氏が「不正に情報を入手する手助けをしたとしてアサンジ容疑者を起訴」したと解説された。また読売新聞の記事(※1)では、「米司法省の発表によると、アサンジ容疑者は元米陸軍兵士と共謀し、機密情報を扱う米政府のコンピューターに違法な侵入を試みたとされる」と掲載された。こうした記述は、アメリカ政府の言い分が情報源とはいえ、明らかに事実と異なっており、他の事実の確認もせずにアメリカの言い分のみを鵜呑みにしていることになる。
また、朝日新聞が国際政治アナリストの菅原出氏に対して行ったインタビュー記事では、アサンジ氏が情報を得る「手法」について「アサンジュ容疑者がハッキングの手口をマニング上等兵に教え、秘密のパスワードなどを解読させたようです。学校教育を受けていない弊害かもしれないのですが、順法精神のなさに批判が大きかったことも事実です」との菅原氏の発言を掲載している。アナリストの発言とはいえ、朝日新聞はインタビューの内容が誤解を招く可能性を考慮せず、アサンジ氏個人に対する攻撃を含め、インタビュー内容をそのまま掲載し、別の解釈や視点については触れることはなかった。
情報公開の仕方にも問題がみられる。例えば、人命を危険にさらしたというアメリカ政府による告発に関するものである。アメリカ政府の外交公電には、戦場などにおける同国政府の協力者が記載されているが、それが実名で公開された場合、敵対勢力に狙われる可能性が指摘されてきた。確かに、ウィキリークスでは実名がそのまま記載された未編集の文書を公開するようになった。しかし、当初はそうではなかった。報道機関とのコラボレーションを通じて問題となる実名を取り除きながら、情報を公開していたのである。
しかし、イギリスのガーディアン紙が出版したウィキリークスに関する書籍の中で、外交公電ファイルが保管されていたデータベースのパスワードを掲載したことで、公電のデータベースがインターネット上に漏洩されたため、仕方なく実名を掲載されたまま全文の公開に踏み切ったとウィキリークス側は声明を通じて主張した。これに対してガーディアン紙は、書籍発刊当時にデータベースはインターネット上になかったなどと自社の責任を否定している。いずれにせよ、アサンジ氏は情報公開がもたらす危険性にアメリカ政府が対処できるよう、クリントン国務長官(当時)に電話による警告を試みたが、相手にされなかった。実際、この公電の公開が原因となった被害者も一人も報告されていない。

ウィキリークスのHP上のロゴ(写真:Almudena Fernández / Flickr [CC BY-SA 2.0])
しかし日本の主要メディアは、この問題に関するウィキリークスの言い分を報じることはなかった。例えば、2011年に公電が未編集のままウィキリークスに公開された際には、読売新聞は「メガリークの暴走」(※2)と題した記事で、ウィキリークスが「唐突に、外交公電25万件を未編集のまま公表してしまう」と掲載するにとどまった。毎日新聞の記事(※3)でも、アメリカ政府の言い分を掲載しているが、ウィキリークスの主張を掲載することはなかった。この問題自体の複雑さ故に情報伝達が難しいとはいえ、各紙の報道の中でウィキリークス側の主張がまったく反映されていないこと自体が公平性に欠け、偏向した内容を報じることは重大な問題であると言わざるを得ない。
権力を問わないメディア
前述のような偏向報道が繰り返される背景には、日本のメディアがアメリカ政府などの権力に寄り添う傾向があるだろう。そもそも、事実確認を怠る限り、ジャーナリズムは成り立たない。ましてや「番犬役」を担おうとする報道機関であれば、ウィキリークスやアサンジ氏に向けられた疑いや容疑を問うべき要素も多い。
第1に、アメリカとイギリスはアフガニスタン戦争、イラク戦争をしかけた当該国であり、これらに関する事実を隠蔽し、不都合な真実を暴いた人物に対して罪を捏造し着せるなどのインセンティブがある。アメリカ政府は、アメリカの立場を揺るがす暴露をなんとしても阻止し、将来可能性のある暴露をも抑止したいと考えているのだろう。実際、アメリカ政府では法的措置を遥かに超える行動も検討されていたようだ。オバマ政権下のクリントン国務長官(当時)は2010年の国務省の会議においてアサンジ氏を「ドローンで『殺害』できないのか」と発言したとされている。続くトランプ政権下の2017年には、拉致や暗殺などの具体的な計画も検討されていたことも報告されている。
第2に、ウィキリークスが暴露してきたような内容について、これらの政府は実際に数々の虚偽を捏造してきた経緯がある。イラクに対して戦争をしかけるためにアメリカ政府やイギリス政府が用いた数々の虚偽の発言は立証されてきている。さらにイラク戦争を開始してから、アメリカ政府は軍が行った拷問や一般市民の殺害の事実に関する隠蔽や虚偽の情報発信も繰り返してきた。例えば、アメリカ政府はイラク戦争が開始された2003年以降に殺されたイラク人に関するデータを保持していないと主張していたが、ウィキリークスによる2010年の暴露でデータを保持していたことが明らかになった。

アサンジ氏の解放を求める集会(写真:Pamela Drew / Flickr [CC BY-NC 2.0])
第3に、各国のアサンジ氏に対する法的措置において数々の不審な点がみられる。アサンジ氏は、スウェーデンで性的暴行の疑いがかけられたが、これに係る逮捕状とその後のプロセスに対して不審な点が多く、批判が集まった。結局、何年にも及ぶ法的プロセスを経たものの、アサンジ氏は性的暴行で起訴されることはなかった。また、アサンジ氏が収容されているイギリスにおけるアメリカへの引き渡し手続きにも不審な点が多く、イギリス政府が政治犯の引き渡しを禁止する法律を無視して強行しようとする動きが指摘されている。そして、前述の通りアメリカにおいても、情報公開でスパイ防止法が適用されるという異例の事態に対して批判が殺到している。
他にも、今回の法的措置には不審な要素が数多くある。アサンジ氏にハッキング行為を指示されたと証言した重要参考人は、アメリカで自身が不起訴になることと引き換えに虚偽の証言をしていたことを認めたこともその一つだ。また、アサンジ氏が亡命中滞在していたイギリスのエクアドル大使館で、警備を任されていた警備会社がCIAと共謀し、大使館内に盗聴器をしかけるなど、アサンジ氏を監視していたとされる。アサンジ氏とその弁護士との会話までが監視・盗聴されていたとすれば、法的プロセスの正当性にさらなる疑問が生じる。
しかし、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞においても、アメリカやイギリスの思惑を問うような具体的な内容が取り上げられることはなかった。また、アメリカで検討されていた暗殺問題、法的プロセスにおける数々の不審な点が問われることもなかった。当該国の言い分をそのまま鵜呑みしているかのような内容のみが紙面に取り上げられてきた。
さらに、アサンジ氏のケースが日本における言論の自由に与える影響を指摘する記事は、2019年のアサンジ氏の逮捕以来、上記の朝日新聞の社説1件を除き、いずれの新聞でも報じられていない。不思議なことに、朝日新聞に掲載された菅原出氏に対するインタビュー記事では、「米軍がイラク戦争で行っていたようなひどいことを、内部関係者であれば誰もが暴露できるようになることを証明しました。ただ、だからこそ、ロシアや中国では今までよりも更に情報規制を強めている」との発言が掲載されているものの、ここには日本に関する言及が一切ない。ウィキリークスは直接日本の法律にも影響を与えている。内閣官房が発表した特別秘密保護法案に関する主要論点集では、秘密保全法制の必要性を裏付ける内容として、ウィキリークスが情報の漏えいの「脅威」として記載されている。

米軍のヘリ、イラク(写真:The US Army / Flickr [CC BY 2.0])
番犬はいつ吠えるのか?
アサンジ氏のアメリカへの引き渡しをめぐる問題は、「現代における報道の自由のための最も重要な闘い」だと元ニューヨーク・タイムズ記者のクリス・ヘジス氏は述べている。「法の支配」「人権」「言論の自由」を重視するように見せる国々が、法の支配を無視し、人権を侵害し、言論の自由を抑圧するとき、なぜ政府の番犬役を担う報道機関は声を上げないのか。
強力な政府に立ち向かおうとするジャーナリストは、周囲からバッシングを受けたり、主要メディアから追放されるなど、様々な「コスト」があるとヘッジス氏が指摘する(※4)。ほかにも、バイデン政権に対する批判を避けるアメリカの報道の問題や、権力に寄り添う傾向のある報道機関の役割を超越する「ジャーナリズム」を成し遂げたウィキリークスに対する業界内のねたみも関係しているとの指摘もある。これらの指摘は、主にアメリカメディアの沈黙に向けられた批判だが、日本のメディアはアメリカメディアの報道内容を追っているように捉えることができる。
しかし、権力と富が集中する政府の実態を明らかにすることはまさにジャーナリズムの重要な役割である。ウィキリークスおよびアサンジ氏の迫害が示すように、ジャーナリズムが脅かされているが、同時にそれを防ぐことができるのもジャーナリズムのはずだ。果たして、この問題に対して報道機関が立ち上がる日は来るのだろうか。
※1 読売新聞「スウェーデン 検察捜査再開か アサンジ容疑者」、2019年4月12日掲載。
※2 読売新聞「[サイバーウォーズ](5)メガリークの暴走(連載)」、2011年9月25日掲載。
※3 毎日新聞「ウィキリークス:米公電未編集公開「情報提供者へ危害」懸念 報道機関が批判」、2011年9月3日掲載。
※4 ヘッジス氏自身も、イラク戦争に反対する発言をしたため、ニューヨーク・タイムズ紙に止められ、辞職する経歴をもつ。
ライター:Virgil Hawkins
アサンジ氏に関する一連の出来事は、記事にあるように法の支配、人権、言論の自由など民主主義に関わる重大な出来事で、報道に値することは確かです。ただ、そういった番犬の役割以前に、報道に携わる人たちにとっては非常に身近な問題であると思います。それを考慮すると、報道量や報道におけるスタンスがなぜ現状のようになっているのかとても疑問です。
ベトナム戦争はメディアが終わせられたのに。
時代が経つにつれて、ますます政府の締め付けが強くなって、ますますメディアがみじめになっているように感じます。
記事を読むなかで、アメリカ政府がここまでアサンジ氏を捕まえたがるのは「内容の不都合さ」の一点からだと思う。暴露という部分ではココ最近のガーシー氏にも似ているが、アサンジ氏は特段暴露による脅迫などを行っていない。しかも内容は国民に政府の責任を問わせるという公益性の高いものだ。手続きが他のジャーナリズムと同じなら、それは適法ということになる。ならばアメリカ政府は1度暴露内容を認める姿勢を示せばいいだけではないか。アサンジ氏は別に政府を転覆させてようと思っているのではなく、自分たちが信託した政府がここまで非道なこと、私欲にまみれたことをしているからこういった報道をしているのではないか。
そのうち日本でも、政府の問題点を追求した真っ当なジャーナリズムが「スパイ行為」「国益に反する」「反日だ」と謗られるのではないかと不安だ。