こちらは、東地中海に面するレバノン北西部の港町、トリポリの写真である。通りに沿って設置されたメッカの写真の前を、肌を黒い布で覆った女性が歩いていく。
レバノンには、イスラム教やキリスト教を始め、数多くの宗教、そして各宗教から細分化した宗派が入り混じって存在している。このような状況下で、特定の宗教勢力が政治権力を独占しないように、権力のバランスの確保がなされている。
しかし、レバノンの周辺地域の状況変化により、宗教勢力の勢力均衡状態は変化している。現在では、イスラム教シーア派を基盤として1982年に成立したヒズボラと呼ばれる組織が、レバノン国内外に大きな影響力を及ぼしている。
ヒズボラについてもっと知る→「「国家の中の国家」ヒズボラ」
レバノンについてもっと知る→「地域大国に挟まれた国:レバノン」
(写真:Allan LEONARD / Flickr [CC BY-NC 2.0])