GNVニュース 2026年3月23日
コスタリカのニカラグア国境沿いで、金価格の高騰を背景に違法な金採掘の被害面積が3,000ヘクタール以上にわたって拡大している。採掘拡大の発端となるクルシタスでは、20年前カナダの採掘企業に開発権が与えられたが、2011年にその判断が取り消された。その後、法的な位置づけが未解決のまま実質的な無法地帯となり、警察の配置も不十分な状態が続いていた。かつての金採掘は小規模な手作業によるものだったが、現在では組織犯罪が介入する半産業的な搾取へと変貌している。採掘による森林破壊や、金精製時に使用されるシアン化物や水銀による深刻な水質汚染により、野生生物の生息地が縮小している。
この違法取引の背景には、コスタリカ側で掘り出された金がサンフアン川を越えてニカラグアへ運ばれ、そこで精製・販売されるという密輸ルートの存在が指摘されている。コスタリカのクルタシスにおける鉱夫の90%はニカラグア人であるとされ、年間2億5,000万米ドルを超える鉱物資源がコスタリカから略奪されていると推計されている。特に、ニカラグア政府から採掘権を得てニカラグアに拠点を持つ中国系企業は、原産地を確認せずにコスタリカの「違法金」も買い取っているとの指摘がある。歴史的に国境問題を抱える両国は、親米(コスタリカ政府)と親中(ニカラグア政府)という地政学的な対立構造にあり、問題解決をより困難にしている。一方、中国大使館は一連の疑惑を、親米政権による政治的なプロパガンダであると否定している。
コスタリカ政府とニカラグア政府は、2026年2月28日に合同パトロールや情報共有のための拠点設置を含む協力体制に合意したが、ニカラグア政府がこの違法キャンプや不透明な取引を積極的に取り締まらない限り解決されないという声も上がっている。
コスタリカのロドリゴ・チャベス政権内では、採掘を合法化して外国企業に管理を委ね、利益の一部を国庫に入れることで、違法採掘を抑えつつ地域開発にも資する秩序回復を目指す動きもある。しかし、野党や環境団体からは環境破壊や金の継続的な違法採掘に繋がると強い反発が起きている。
中南米における金の違法採掘についてもっと知る→「ペルー:世界を巻き込む金の違法採掘」
ニカラグアと法の支配についてもっと知る→「国は『法の支配』を守れているか」

クルシタスでの違法金採掘において薬品洗浄で使用される人工池(写真:Julieth Méndez / Wikimedia Commons [CC BY-SA 4.0]





















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