黒海とエーゲ海を結ぶマルマラ海はかつてトルコのサファイアと称される美しさであった。しかし、マルマラ海の周辺には首都のイスタンブールや工業地帯が面するため、トルコが急速な発展を続ける中で海水が汚染されていった。そして近年、ついに限界を迎えた海は栄養過多により大量の粘液を放出した。
現在は粘液の除去作業や下水の処理方法の改善等の対策がとられ、表面上は海が綺麗になっている。しかし、海底には粘膜が未だ蓄積しており、海面下の生態系の破壊は進んでいる。著しい発展の中で自然はどう変化していくのか、今後に注目したい。
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(写真:eutrophication&hypoxia / Flickr [CC BY 2.0])