今やSDGsという言葉を聞かない日、もしくはSDGsのカラフルなロゴを目にしない日はないのではないだろうか。それほどまでに、SDGsという言葉は浸透し、日本では日常の一部になりつつある。時には、再利用素材で作られたペット用のウェディングドレスがサステイナブルな取り組みの事例としてニュース番組で取り上げられることさえあり、社会や経済のあらゆる側面がSDGsに関連づけて語られているような印象も受ける。わたしたちが普段触れているSDGs報道は持続可能でない世界の実態をどのように映し出し、あるべき未来をどのように描いているのだろうか。SDGs報道の分析からその実態に迫った。
目次
SDGsの現状
SDGsとは持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)を略したものであり、2030年までに貧困の撲滅や格差の解消などを世界全体で実現することを目指す。設定されている17の目標は、貧困や飢餓、教育といった開発の課題から、労働に関連する課題、環境課題など多岐にわたる。これらの課題は169のターゲットを見ると分かるように相互に関連している。例えば、1番目の目標である「貧困をなくそう」の場合、ターゲットには経済的資源への平等なアクセス(目標10)や気候変動(目標13)による脆弱性を軽減することなどが求められている。また、貧困状況の改善なくして、飢餓(目標2)、保健福祉(目標3)、教育(目標4)といった状況を改善することは難しい。このことからも、SDGsはそれぞれの目標が完全に独立しているわけではなく、関連し合いながら包括的にすべての目標の達成が目指されるものであることが分かる。
2015年から目標達成に向けて動き出したSDGsではあるが、2030年までの目標達成はどれくらい現実的なのだろうか。残念ながら今のままではSDGsの達成は程遠いと言わざるを得ない。例えば極度の貧困をなくすことを目指す目標1「貧困をなくそう」の状況を知るために2018年時点の試算を見てみた。この試算によれば、そのまま行けば2030年にはサハラ以南アフリカ諸国だけで4億人以上が1.9米ドル以下が極度の貧困状態であるだろうとされていた。
教育に関する目標を掲げた目標4「質の高い教育をみんなに」はどうだろうか。この目標では「2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする」ことが目指されている。中等教育の修了とは日本の教育制度で言えば高等学校修了を指す。つまり、6歳ないし5歳から12年間の教育を受けられることを前提として逆算すれば、2030年にすべての子供が中等教育を修了するためには2018年の時点ですべての子供が初等教育を受けられるようになっていなければならない。しかし、残念ながらこれは実現されていない。また、近年のデータでは、特にサハラ以南アフリカで教育を受けることができない子供の割合が高いこともわかっている。
SDGsの達成をさらに遠ざけたのが新型コロナウイルスの世界的な流行だ。国連はパンデミックの陰で女性や女子に対する暴力が増加したことをシャドウ・パンデミックと呼んだ。この時期、女性の無償のケア労働の負担がこれまで以上に増加し、女性や女子の経済的脆弱性はより顕著なものとなった。さらに新型コロナウイルスのワクチン接種に関しては高所得国と低所得国の間で大きな格差があり、これはいうまでもなくすべての人が健康に暮らす権利を脅かしている。国連事務総長はこの状況に対して「ワクチン不平等は完全なる人権の軽視である」と批判した。
さらに、2021年だけで新たに9,700万人が貧困状態に陥り、サハラ以南アフリカと南アジアでは、極度の貧困状況にある人の数が特に増加している。その一方で、世界の億万長者たちの資産が増加するというアンバランスさは世界の不平等が加速している実態を映し出した。これだけを見てもいかにSDGsの達成が困難なものであるのか、さらに「誰一人取り残さない」という理念の一方で広がり続ける世界や社会の格差がいかに根深い問題であるのかが分かる。
SDGs報道、何が、どのように報じられるのか
このような世界の状況をふまえ、メディアはSDGsについてどのように報じているのだろうか。朝日新聞の2021年1年間の報道をもとに分析を行った(※1)。今回は「SDGs」もしくは「持続可能な開発目標」をキーワードに含む報道を調査の対象とした。検索の結果、321件の記事が表示された。同様の条件でSDGsの開始年であった2015年からの報道数を見ると、2015年には一桁であった記事件数が2019年になると200件台に、そして2021年に初めて300件台に乗ったことが分かる(※2)。2015年と比較すると2021年の報道はおよそ46倍もあり、激増と言ってもいいだろう。また、GNVでは過去にもSDGs報道に関する記事を出しているのでそちらも参考にしていただきたい。
2021年の報道でSDGsはどのように語られていたのか。記事の対象となっている国と着目されている分野に関しても詳しく見てみた。既述のように、サハラ以南アフリカ諸国などの低所得国においてSDGsの達成が難しいことはデータとして示されている。特に目標1に着目すれば、極度の貧困状態にある人のほとんどがサハラ以南アフリカに集中しており、それに関連する飢餓や教育、保健の問題も見過ごすことはできない。SDGsの達成を具体的に何によって測るのかを示した169のターゲットの中でも「開発途上国」といったキーワードは頻出(※3)し、SDGの焦点は世界で最も取り残されやすい場所、現在ひっ迫した状況にある場所に当てられていることが分かる。「誰一人取り残さない」SDGsの理念に沿い、それらの国々や地域への着目を促したり、対策の必要性を伝えたりする報道がなされていたのだろうか。
まず、SDGs報道がされる際にどの国が関連国となっているかについて調べた(※4)。分析の結果、321件の調査対象記事のうち294件の記事で関連国として「日本」が登場していた。これは調査対象記事全体の91.5%の記事がなんらかの形で日本を中心的な主体として置いていたことになる。日本の次に登場回数が多かったのがイギリスと中国で、321件中4件と日本の登場回数と比較すると大きな差があった。また、極度の貧困状況などが深刻なサハラ以南アフリカ諸国ではジンバブエ、タンザニア、ルワンダがそれぞれ1回ずつ登場したのみだった。南米ではエルサルバドルとコロンビアがそれぞれ1回ずつ登場した。また、「途上国」への着目は3記事のみであった。このことから、サハラ以南アフリカなどSDGsの緊急性が高い地域への着目はほとんどないことがわかった。この傾向が毎年のものであり、多くのメディアに共通しているとすれば、メディアを通じて見えるSDGsは世界のほんの一部だけを映し出す、ごく断片的なものでしかない。これらの事実だけを鑑みると、日本を中心に描かれるSDGs報道は、SDGsの目指す世界を包括的に映し出しているとは言えないだろう。
SDGsの特徴の一つは分野ごとに目標が設定されていることである。そこで、各分野や目標がどのようなバランスで報じられているかを調べるため、17の目標のうちどの目標が報道されているのかについても調べてみた(※5)。調査の結果最も多かったのが「特定の目標なし」であり、321記事中156記事が特定の目標に触れずにSDGsに関して報道していることがわかった。これらの記事の中にはSDGsという単語がキーワード的に含まれているだけのものもあるが、「環境問題やSDGs(持続可能な開発目標)が注目される今、・・・」というように、今の時代を表す形容詞的にSDGsという単語が用いられているものや(※6)、「SDGsの理念である『誰一人取り残さない』をテーマに・・・」のように理念的な部分に焦点を当てたものがあった。
さらに321記事の中から「特定の目標なし」に分類された記事を除く、165記事の中でどの目標が取り扱われているかを調べた。特定の目標へのフォーカスでは、目標12「つくる責任つかう責任」が最も多く165記事中47記事で登場した。続いて環境に関連する目標である目標15「陸の豊かさも守ろう」が31記事、目標14「海の豊かさを守ろう」が29記事に登場した。また、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」は27記事に、目標13「気候変動に具体的な対策を」は26記事に登場した。
全体を見ると注目される目標と注目されない目標の間に大きな差があることがわかった。今回、特定の目標について取り扱っていた165記事のうち、28%に当たる47記事に目標12が登場していた。また、環境系の目標である目標14と目標15に分類された記事は42件あり(※7)、これは165記事中25%の記事でこの二つの目標のうちどちらかもしくはどちらもが登場していたことになる。単純計算で165記事のおよそ半数の記事は目標12、目標14、目標15を取り上げていることになる。一方でSDGsの1番目の目標として掲げられた目標1「貧困をなくそう」を含む記事は9件であり、これは5%の記事にしか登場していないことになる。また、最も登場回数が少なかった目標は目標6「安全な水とトイレを世界中に」(4回)、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」(4回)、目標16「平和と公正をすべてのひとに」(1回)だった。さらに驚くべきことに、今回検索に用いたキーワードに「極度の貧困」という単語を付け加えて検索したところ(※8)、該当記事は0件であった。繰り返しになるが、SDGsの1番目の目標は貧困をなくすことである。目標1のターゲット1.1は「極度の貧困をあらゆる場所でなくす」とされ、SDGsの他の目標においても貧困を意識したターゲットが謳われている。既述のようにコロナ禍で9,700万人が新たに極度の貧困状況に陥ったとされる中、極度の貧困という言葉すら出てこないSDGs報道が映し出す「誰一人取り残さない」世界とは何なのだろうか。
それぞれの目標がどのような文脈で語られているのかを詳しく見てみると、例えば目標12に関しては「リサイクル」「再利用」「食品ロス」というキーワードが目立った。そこで調査対象記事全体の321記事の中で、どのようなキーワードが出ているかも調べてみた。すると321記事中にリサイクルに関連するキーワードが含まれる記事が34件(※9)、食品ロスに関連するキーワードが含まれる記事が19件あることがわかった(※10)。また、目標12「つくる責任つかう責任」に振り分けられた42記事中34記事に食品ロスないしリサイクルに関連するキーワードのどちらか一方もしくはどちらもが含まれていることがわかった。SDGsのターゲットには目標の到達を測るものと、そのための手段が記載されており(※11)、確かに目標12のターゲットでは資源の再利用や食品ロスの削減が含まれる。しかし、同時に目標達成の手段として、税制改正や有害な補助金の段階的撤廃を通じた化石燃料への補助金の削減なども求められている。このことからも、目標12が現在の生産と消費のシステムの根本的な変革を目指していることがわかり、その目指すところがリサイクルと食品ロスだけでないことは明らかだ。調査記事全体の中で「化石燃料」を含む記事を検索すると7件の記事が該当(※12)し、その中には日本の脱化石燃料への動きの遅さを批判する記事もあったが、そこでも化石燃料への補助金の削減の必要性は明示されていない。また、リサイクルと食品ロスと比較してその数は少なく、同じ目標の中でも注目される側面とされない側面があることがわかった。
誰目線のSDGs?
今回調べた記事の中で、SDGsの取り組みに関してすべてが無批判に報じられていたわけではない。例えば、321記事の中には高所得国でSDGsが達成されたように見えても、そのしわ寄せが低所得国に寄ることに警鐘を鳴らす記述や、現状の格差を生み出してきた構造や格差を指摘するものもあった(※13)。また、実態が伴っていないにもかかわらず取り組んでいるように見せかけることを意味する「SDGsウォッシュ」について触れる記事もあった(※14)。さらにSDGsの達成が困難であることに言及した記事も2件あった。そのうち1件は読者から寄せられた意見であり、もう1件は新型コロナウイルスの感染拡大がなければ達成できていたが新型コロナによって達成できなくなったとする専門家の意見であった(※15)。ただし、既述のように新型コロナウイルスの感染拡大以前からSDGsの達成の見込みが低いことがデータ等から示されており、新型コロナウイルスの感染拡大以前であれば達成できたという根拠は不明である。
一方で、企業がSDGsや持続可能な取り組みであるとする言説をそのまま受容するような記述も多々あった。例えば、お歳暮で贈られる食品などが「サステイナブル」であることを売りに、百貨店などが売上を上げていることを扱った記事ではサステイナブルな商品の一例として食材由来の飼料で育った豚肉について触れている。しかし、そもそも肉食は土地の劣化、大気汚染、大量の水の使用、森林破壊など様々な問題を孕んでいることが指摘されている。これらはSDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標15「陸の豊かさを守ろう」などの目標とも密接に関わるテーマである。記事内では肉食の「持続可能でない」側面についてこれらの事実には触れられておらず、百貨店側の「サステイナブルな肉」というフレーミングをそのまま使用している。
また、2025年に開催予定の大阪万博に関しての記事では公式グッズで再生資源が用いられていることを挙げ、SDGsへの貢献をアピールしている。もちろん、より環境負荷を下げる努力や再生資源の活用は、しないよりはしたほうが良い。しかし、真に持続可能な世界を実現していくのであれば、そもそもイベントごとに公式グッズを生産し、販売することも見直される必要があるだろう。現状の社会のあり方やモデルに関して根本的な問題提起を行わず、「持続可能」という漠然とした言葉でラッピングされた動向をそのまま伝える姿勢は、持続可能な世界への理解を深める役に立つのだろうか。
さらに分析対象の321記事のうち15件に環境(Environment)社会(Society)ガバナンス(Governance)に配慮したESG投資というキーワードが登場(※16)していたことからも、SDGsをビジネスチャンスと捉える企業や経済の動向への意識が働いているとも言えよう。ESG投資がSDGsに後押しされていることを伝える記事などにおいて特に盛んに、今後の経済の動向や企業の求められる姿勢などが示されている。
SDGsは世界全体で取り組まなければならない目標であるとされている。その中で、もちろん自国の抱える課題を見つめ直し、解決に向けた取り組みも必要だ。中には技能実習制度やジェンダー問題など日本国内における重要な問題を取り扱った記事もあった。
世界を見渡し「誰一人取り残さない」ことを目指すのであれば、困難な状況に置かれた人たちが多い国や地域への着目も不可欠だ。さらに、SDGsには期限もある。2030年までに世界の6億人以上の極度の貧困状態にある人たちの生活が改善されるためには、今のままでは間に合わないことが数年前から明らかにされてきた。企業が語る「できることから」「無理のなく」行われる取り組みが、貧困や飢餓といった一刻を争う状況にある人たちの生活を改善するのはいつになるのだろうか。日本のメディアのSDGsへの関心の高さを「地球規模課題が、自国にとってまさに『今そこにある危機』であるからに他ならない」と評価するメディア関係者もいる。しかし、本当に地球規模の課題を自分ごととして捉えているのであれば、極度の貧困などの人命に関わる危機に対してももう少し敏感であるだろうし、「できることから」などと悠長に言っている場合ではない。本当に地球規模の課題がメディアに見えているのかは疑問だ。
そもそもSDGsにはバックキャスティングの考え方が用いられている。これはあるべき未来を先に描き、そこに到達するために今必要な手立てを逆算する考え方だ。反対に、現状で実現できる範囲でできることを積み上げて目標達成を目指す考え方をフォアキャスティングと呼ぶ。企業が「できることから」行う取り組みを受け入れ報じるメディアの姿勢では、SDGsという目標が必要とされるまでにひっ迫してしまった今の世界の構造を包括的に映し出すことはできないだろう。それどころか、SDGsがなぜ必要なのか、どのような世界を目指しているのか、そして今世界がどうなっているのかを理解する妨げにすらなるかもしれない。もちろん、今すぐにすべての問題を解決できるわけではない。しかし、そのできないことを見つめ、できるようにするための手立てを考え、実行に移さなければSDGsは絵に描いた餅でしかなくなってしまう。
地球規模の課題を見渡せていないのはメディアだけの問題ではない。SDGsを掲げた国連ですら、「怠け者のための世界の救い方」として、「レベル1:ソファの上からできること」、「レベル2:家の中からできること」、「レベル3:家の外でできること」、「レベル4:職場でできること」を紹介している。また、同機関の別のウェブサイトでは目標1「貧困をなくす」のアイコンの上に「いらないものを寄付しよう」と言うメッセージがつけられている。そもそも、不用品の寄付には様々な問題がつきまとう上、貧困を作り出しているアンフェアトレードやタックスヘイブンなどの構造的な問題が解決しなければ貧困問題の解決はない。
世界を見渡せるSDGs報道へ
SDGsが目指す未来とは、今現在貧困や飢餓といったひっ迫した状況に置かれた人々も含めて、誰一人取り残さず、持続可能に暮らしていくことができる未来である。SDGsはこれまで軽視されてきた世界の格差、貧困などの問題を再認識し、世界全体の問題としてその対策に向けて動き出す機会となるかもしれない。
報道は、ありのままの世界を映し出す「鏡」としての役割を担っているはずである。そうであればこそ、SDGsのような目標を必要とする世界をありのまま映し出し、現状の課題を問い直していく必要がある。今回の調査から、SDGs報道の中で特定の国や目標、ターゲットに焦点が当てられている実態が明らかになった。また、企業や日本国内の目線で「できることから」行われる取り組みや、SDGsの各目標のターゲットの意味が精査されぬまま曖昧なフォーキャスティングになっている取り組みの数々をそのまま報じるメディアの姿勢が見えてきた。報道の自国中心的な姿勢が批判される中、SDGsこそ自国中心的な姿勢でいては達成に近づくことすらできないとメディアが気付くのはいつになるのだろうか。
※1 分析は朝日新聞のデータベース「聞蔵IIビジュアル」を用いて行った。本調査では2021年1月1日から12月31日までの1年間で「SDGs+持続可能な開発目標」というキーワードを見出しと本文、補助キーワードに含む記事を地域面を除き検索した。分析には323件の検索結果のうち著作権の関係で見ることができなかった2件の記事を含まない321件を用いた。
※2 ここでは検索結果の記事件数のみを表している。そのため中には著作権などの理由で記事の内容を表示できない記事も含まれている。
※3 例えば169あるターゲットの中で「開発途上国」という言葉は77回使用されている。
※4 関連国に関して、国名の言及だけではカウントせず、その国の事情や状況がわかるような説明がされているか、中心的に語られている機関や団体が拠点をどこに置くかを基準に関連国としてカウントするかどうかを決めた。人物の場合はその人物が所属する機関や団体などが拠点をおく国を関連国としてカウントした。また、特定の国に関連しない場合は「関連国なし」とした。1記事の中に複数の国が登場している場合もそれぞれの国のカウントを1としたため、関連国の合計数は記事数の合計を上回っている。なお、1記事中に同じ国が異なる文脈などで複数回登場している場合でもカウントは1とした。
※5 報道される目標に関しては、記事の中心的なテーマとSDGsの17の目標の関連をカウントした。ただし、SDGsの説明として特定の目標に言及しているだけの場合などには、中心的なテーマとなっていないと判断した。また、記事で扱われている内容とSDGsの特定の目標の関係性が不明な場合や、SDGsそのものに関する紹介、すべての目標との関連がある場合などは「特定の目標なし」とした。1記事の中に複数の目標が登場している場合もそれぞれの目標のカウントは1としたため、関連目標の合計数は記事数の合計を上回っている。なお、1記事中に同じ目標が異なる文脈などで複数回登場している場合でもカウントは1とした。
※6 例えば
朝日新聞「5千万年後、人類なき地球で――古生物学者が描いた生き物、福岡市科学館に出現【西部】」2021年12月6日夕刊
※ 7 目標14に分類された記事は321記事中29記事、目標15に分類された記事は31記事あった。これらの記事のうち目標14と目標15のどちらにも分類された記事は18記事あった。そのため、目標14と目標15のいずれか一方、もしくはどちらもに分類された記事は全部で42件あった。
※8 朝日新聞のデータベース「聞蔵IIビジュアル」において、その他の検索条件は変えずキーワード部分を「(SDGs+持続可能な開発目標)&極度の貧困」として検索した結果
※9 朝日新聞のデータベース「聞蔵IIビジュアル」において、その他の検索条件は変えずキーワード部分を「(SDGs+持続可能な開発目標)&リサイクル」として検索した結果25件が表示された。同様に「(SDGs+持続可能な開発目標)&再利用」として検索した結果17件が表示された。2つのキーワードの重複も確認したところ「リサイクル」と「再利用」のいずれか一方、もしくは2つを含む記事は全部で34件あった。
※10 朝日新聞のデータベース「聞蔵IIビジュアル」において、その他の検索条件は変えずキーワード部分を「(SDGs+持続可能な開発目標)&フードロス」として検索した結果11件が表示された。同様に「(SDGs+持続可能な開発目標)&食品ロス」として検索した結果10件が表示された。2つのキーワードの重複も確認したところ「食品ロス」と「フードロス」のいずれか一方、もしくは2つを含む記事は全部で19件あった。
※11 SDGsのターゲットには数字だけのものと、数字の後にアルファベットの小文字が表示されているものがある。数字だけのターゲットは目標を達成するために解決しなければならない課題を示しており、アルファベットがついたターゲットはそれぞれのターゲットを実現するための手段や措置を表している。
※12 朝日新聞のデータベース「聞蔵IIビジュアル」において、その他の検索条件は変えずキーワード部分を「(SDGs+持続可能な開発目標)&化石燃料」として検索した結果7件が表示された。
※13 例えば
朝日新聞「(売れてる本)『人新世の「資本論」』 斎藤幸平〈著〉」2021年1月16日朝刊
朝日新聞「(知っ得 なっ得)SDGsを自分事にする:1 政府や企業の目標じゃないの?」2021年6月12日朝刊
※14 朝日新聞のデータベース「聞蔵IIビジュアル」において、その他の検索条件は変えずキーワード部分を「(SDGs+持続可能な開発目標)&ウォッシュ」と検索した結果3記事が該当した。
朝日新聞「(フォーラム)気候危機と若者」2021年11月21日朝刊
朝日新聞「(Update watch)腕時計にSDGs、本気度は」2021年06月17日夕刊
朝日新聞「(知っ得 なっ得)SDGsを自分事にする:1 政府や企業の目標じゃないの?」2021年6月12日朝刊
※15 朝日新聞「(be between 読者とつくる)SDGsに関心がありますか?」2021年05月22日朝刊
朝日新聞「グローブ238号<世界を読む>SDGs身近にある課題目を向けて、新型コロナで達成に影響も」2021年02月07日朝刊
※16 朝日新聞のデータベース「聞蔵IIビジュアル」において、その他の検索条件は変えずキーワード部分を「(SDGs+持続可能な開発目標)&ESG」として検索した結果15件が表示された。
ライター:Kaoru Kataoka
あちらこちらで安易に使われているSDGsの本質をもう一度考え直すきっかけとなるよい記事でした。
1枚目と2枚目の画像のギャップが秀逸。衝撃を受けました。