水産、養殖品の20%が虚偽表示、監視強化を指摘

執筆者 | 2026年03月18日 | GNVニュース, 世界, 保健・医療, 環境

GNVニュース 2026年3月18日

世界の水産品、水産養殖品の最大20%に虚偽表示があるなど、詐欺的な行為がまかり通っている実態が明らかになった。国連食糧農業機関(FAO)と国際原子力機関(IAEA)が2026年2月10日、報告書を発表した。被害を受けるのは、消費者、漁業者であり、政府機関などに対して不正の発生元を追跡する(トレーサビリティ)システム構築や高度な不正検出手法の導入を求めている。

報告書によると、世界の漁業および養殖業は2022年時点で、年間1億8500万トン以上を生産し、金額にして2千億米ドル近くに上る。巨大市場となる中、詐欺的な行為にさらされやすくなっている。魚種のすり替え、虚偽表示、混入、偽造などが代表例である。報告書は、不正行為蔓延の要因として、業界の複雑さに加え、1万2千を超える魚種の多さ、国際供給網にまたがる複数の検査機関の関与を挙げる。

自然保護メディア「モンガベイ」によると、報告書は絶滅危惧種を危険にさらし、乱獲による魚種の減少につながり、生物多様性の喪失を招くと指摘する。すでに漁獲枠に達した後に水揚げした魚を偽装して販売し、個体群を枯渇させる例があるという。

また不正に代用される魚は人間の健康にとって有害で、リスクをもたらす恐れがある。FAOによると、規制が不十分な地域での養殖には、人体に有害な抗菌剤が使われている可能性があるという。

報告書は対策として「厳格な取り締まり、先進的な分析ツール、関係者の協力、公教育の協調的な取り組みが必要である」と強調する。

一方、「モンガベイ」によると、海洋保護NGO 「オセアナ」のキャンペーン・ディレクターは、トレーサビリティに対する政府の取り組みが鍵になると主張する。アメリカで2018年に施行された「水産物輸入監視プログラム」が有効策の一つである。特定の水産物を輸入する際に漁獲記録の提出と監査を義務付ける、世界でも数少ない取り組みと位置付ける。2024年には対象となる魚種を拡大し、プログラムを強化する行動計画を発表したが、現時点ではまだ完全には実行されていないという。

漁業の問題についてもっと知る→「魚たちからのSOSにメディアは気づいているのか

海洋の問題についてもっと知る→「『海洋の10年』:メディアは世界の動きを捉えているか

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漁船の漁獲、南アフリカ(写真:Zatoka33 / Wikimedia Commons [CC BY-SA 4.0])

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