大きな足をこちらに向けて横たわっているのは、タジキスタンの国立古代博物館にある約1500年前の仏像だ。
タジキスタン南西部のアジナ・テパと呼ばれる仏教寺院の遺跡で下半身の部分が発見され、後に上半身が復元された。この仏像の全長は約13メートル、足の大きさは1.6メートルにも及び、中央アジア最大の涅槃像である。
タジキスタンを含む中央アジア周辺地域は、現在は国民のほとんどがイスラム教徒であるが、古代には東西をつなぐ交易路であるシルクロードが通り、仏教文化が栄えた地でもある。紛争や、イスラムが偶像崇拝を禁じていることを理由にした破壊から逃れた貴重な文化財や遺跡が、今も点在している。
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