これはスリランカ南西、ゴール地方の海岸の風景。
海面に何本も立っているのは木ではない。
漁師たちが魚釣りの時に使う「竹馬」だ。
竹馬といっても、足で乗って移動するためのものではなく、釣り竿をたらし、魚がエサに食いつくのを待っている間に、漁師たちが腰かけられるような作りになっている。
船も網も使わないこの「竹馬漁」は、一見伝統的な魚釣りの方法のようにも見えるが、定着したのは案外最近だ。一説によると、第二次世界大戦中、食糧難に陥ったこの地方で、釣り人で混雑する浜辺を避けて、一人の漁師が「竹馬」に乗り、直接海上で釣りを始めたことが始まりだと言われている。
現在、この文化は徐々に廃れつつあるようだが、依然として観光客からは人気のスポットだ。
釣りの問題についてもっと知る→「東南アジア公海での悲劇:エビの裏に隠された海上奴隷問題」
スリランカについてもっと知る→「変わりゆくスリランカ:紛争とその後」
近年の南アジア情勢についてもっと知る→「船の墓場:南アジア」
(写真:Melinda Nagy/Shutterstock.com)