これはチャコニアという熱帯アメリカ原産の植物。連なっているのは花弁ではなく、包葉と呼ばれる芽や蕾を包む特殊な葉である。このチャコニアはカリブ海最南端の島であるトリニダード・トバゴ共和国の国花だ。
トリニダード・トバゴ共和国は歴史上、植民地支配された過去を持ち、最終的に独立したのは1962年。独立記念日である8月31日頃に咲くため、チャコニアはトリニダード・トバゴ共和国の国花となった。その鮮やかな真紅は、輝かしい独立への情熱を反映しているように見える。
チャコニアは別名「トリニダード・トバゴの誇り」とも呼ばれる。かつての先人たちが託した思いを、この植物は今の時代に引き継いでいるのだろう。
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(写真:Forest and Kim Starr / Flickr [CC BY 2.0])